ランキング結果だけを見たい方はこちら
偶然出会った、全くタイプの違う【朱里】と【由奈】、朱里の義理の弟の【理央】と由奈の幼馴染の【和臣】は、同じマンションに住み、同じ学校に通う高校1年生。夢見がちで恋愛に消極的な由奈は、理央に憧れるが、自分に自信がなく一歩踏み出せずにいる。理央はかつて朱里に想いを寄せていたが、親同士の再婚により、気持ちを告げられないまま、想いを胸のうちに抱えていた。また、恋愛に対して現実的な朱里は、率直でどこかつかみどころない和臣のことが気になり出し、割り切れない初めての感情に戸惑う。そして和臣は、ある“秘密”を目撃し、葛藤を抱えることになり…。それぞれの思いは複雑に絡み合い、相手を思えば思うほどすれ違って−。
東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。しかしその約束の日、関東では大雪となった。当初の予定は列車の遅延で大幅に狂い、時間だけがただ残酷に流れていく…。貴樹と明里の、再会と別れの1日を時間経過と共に描く。
17回目の夏、地方都市⸺。 コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、 いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。 彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。 矯正中の大きな前歯を隠すため、 いつもマスクをしている少女・スマイル。 人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。 俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、 見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、 ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。 ある日ふたりは、 バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった 想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。 ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。 フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、 チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。 だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。 物語のクライマックス、 チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、 あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。
ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。ただし、それと引き換えに…… 掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。 これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。
主人公である「僕」が病院で偶然拾った1冊の「共病文庫」というタイトルの文庫本。それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。
退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。これはひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語――。
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。 海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。 そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。 しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。